世の中には仲のいいきょうだいが多くて兄弟愛なんて言葉さえあるけど、僕と妹の間にはそれがなかった。実家で一緒に暮らしていた頃は満足な会話さえなかったから
ね。そうは言っても別に仲が悪かったわけじゃない。そもそも、うちは父母も言葉数が少ないタイプで、家族そのものに会話の必要がなかった。楽しみとしての会話については、僕も家族よりも学校の友達との方が多かったくらいで、おそらく妹も同様だったと思う。僕にとって妹は「共同生活している異性」と言う存在でしかなかったんだ。
そんな妹と今はエロチャットをしている。お互い社会人になり独立してそれぞれの城を持った後の話だ。実家の土地売買に関わる話があって大きめの添付資料を権利者の一人である妹に送る必要があり、パソコンに僕が仕事で使用しているチャットアプリを入れてもらったのだ。それがきっかけで、会話がなかった僕たち兄妹だが、チャットでぽつぽつと喋るようになってきたのだ。すると、これまで希薄だった僕たちの関係がウソだったかのように会話が弾みだしたのである。そして、その内容は次第にエロ方向に傾いて行った。
オナニー
「クリトリスって実はあんまり感じないんだよね。兄さんのカノジョさんはどう?」「カノジョにフェラしてほしいんだけど強制ではなくて自然な流れで咥えてくれるようにするにはどうお願いすればいい?」などと毎晩エロネタを交わし合うように仲になったのである。もちろん、関係が希薄とは言え血を分けた妹である。それは性対象にならない。当たり前だが、妹も同様だろう。しかし、だからこそ「変な関係にはならない気軽に性のことを喋り合える異性」と言うお互いに都合のいい存在がチャット越しに存在していたのである。
そんなチャット越しの関係が続いた後、リアルでは僕はずっと付き合っていた女性と結婚した。そして、時を同じくして妹も嫁に行った。お互いのパートナーを連れて盆と正月は実家に帰る。実家では相変わらず妹とは会話はない。しかし、お互いにパートナーを得て愛し合って結婚に至ったのは、そんな妹とのエロチャットがあったからだと思っている。罪のないエロチャットもまた兄弟愛なんだと思う。
ホ別
円交